はじめに
今年もたくさんゲームしたので、個人でやるゲームオブザイヤーがやりたくなったというオタク仕草。
プレイしたゲーム全てを一覧で網羅するのは、ゲーム買いすぎ・やりすぎで不可能なので、部門賞という形での紹介になります。
- はじめに
- ゲーム・オブ・ザ・イヤー 『FOAMSTARS』
- ビジュアル・オブ・ザ・イヤー『enotria』
- モンハンワイルズで出来たことがなぜできないのか・オブ・ザイヤー『ドラゴンズドグマ2』
- さすがにこのオープンワールドは時代遅れでは?・オブ・ザ・イヤー『rise of the ronin』
- ブチギレたゲーム・オブ・ザ・ライフ『モンスターハンターワールド:アイスボーン』
- ベストトライアル・オブ・ザ・イヤー『strllar blade』
- どうしてこんなに弱い主人公を操作しないといけないんだ・オブ・ザ・イヤー『AI LMIT 体験版』
- ゲームを作る気がそもそもなかったよね?・オブ・ザ・イヤー『ドラゴンクエスト3 リメイク』
- 先見の明・オブ・ザ・イヤー『CONCORD』
- ヴァンサバ・オブ・ザ・イヤー『Glyphica:typing survival』
- 美少女ゲー・オブ・ザ・イヤー『realm of ink』
- 発売日が待ちきれんぞ・オブ・ザ・ネクストイヤー『Slay the spire2』『モンスターハンター:ワイルズ』『DOOM:The dark ages』
- まとめ
ゲーム・オブ・ザ・イヤー 『FOAMSTARS』
https://store.playstation.com/ja-jp/concept/10004021
プレイ時間という意味では、最もプレイしたゲームは別(最多プレイ時間はおそらくディズニーツムツム)ですが、今年最もハマった・やり込んだ・楽しかったゲームは間違いなくこれ!
ちまたでは泡スプラと揶揄されがちなゲームで、スプラトゥーンを動画で見たことしかない私でも第一弾PVを見た瞬間、似てるなってなったような作品。(公式はスプラに似てると言われるのにうんざりしてると言っていますが、このコンセプトでその言い分はムリがあるというのが個人的意見。影響を受けるのは恥ではないと思うのですが……)
とはいえ、スプラエアプの私としては、味わいは全く違うゲームだと思います。
4VS4で泡を撃ち合うTPSで、操作キャラクターが固有に存在している、いわゆるヒーローシューターという分類。(有名どころだとオーバーウォッチやバロラントが、FPSという違いはあるものの同ジャンル)
泡を敵に当たるとダメージが入るというのは普通のTPSですが、泡なので弾丸の速度が遅いので、距離によっては見てから避けることが可能です。全武器共通で、弾を見てからシューター系のゲームとしても非常に珍しいのではと思います。
さらに泡を地面に撃つと、自分チームの色として塗ることができて、相手チームの色の泡の上だと足を取られて機動力が落ちます。
さらにさらに、スプラはインクを塗るのであくまで平面ですが、フォームスターズは泡なので、上に塗り重ねていける……つまり、泡を塗り重ねることで高さを作ることができます。
これが結構楽しい要素で、壁を乗り越えたり、高所を取ったりできます。
泡を少しだけ重ねても相手にすぐ塗り返されますが、泡を高く積むと相手は大量に弾を撃ち込まないと自陣の色にできないので足止めできる。
この自陣の色に“強度”が存在しているのが独自要素だと思います。
この強度を無視できる要素としてキャラごとに2種ずつ与えられているアビリティで、塗る系のアビリティではあれば、効果範囲内を常に一定の高さに塗り替えてしまえる。
このアビリティを用いて敵を攻撃してもいいし、敵の陣地を強度を無視して塗り変えて攻めの起点にしてもいい。ベストは敵を攻撃しつつ、塗り変える用法で、上位を目指すなら意識すると伸びるかも?
一要素を上げるだけでもかなり独自要素があり、私は過去プレイした対戦ゲームでも最高に面白いと思ったのですが、あまり流行りませんでした。
その一因として、他の方が書いたブログや記事を乱暴に要約すると、「泡パーティーシューターという公式のキャッチコピー通り、気楽なゲームなので、やりごたえを感じにくい」ということが書かれていることが多かった印象です。
しかしそれは違うんじゃないかというのが、ランク戦の仕様が最も過酷だった、シーズン1のソロランクマを最高ランクであるレジェンドまで。シーズン3のチームランクマを98位(100位以内の称号をもらえるところ)までやり込んだ私の意見です。
このゲームはむしろ、泡パーティーシューターの名に反して、華やかなBGMに反して、かわいいキャラデザに反して、やりごたえがありすぎたとすら思います。
まず、爽快感がないという意見に対する反論として、私としてはちゃんと意識してアビリティを用いないと、適切に効果が出ないものが多いというのがあります。
たとえば、ペングウィンというペンギンに育てられた女性キャラがいるのですが、そのキャラが持つ技の一つにペンギンを滑らせて、そのペンギンが移動した場所を敵の色強度に関わらず、自陣の色の最低強度に塗り替える技があります。
これだけ聞くと塗るだけなのですが、この移動するペンギンを敵に当たると、敵が真上に受身不能で吹き飛び、地面に落下した後も立ち上がるモーションが入る……つまり、2秒ほど行動不能にできます。
ペンギンの移動速度はかなり遅いので、的確に使わないと塗るだけの技なのですが、上手い人(例えば私!)とかが使うと、敵の陣地を塗り替えながら、敵を行動不能にして、倒すところまで行ける。
上手くなればなるほど技の効率が良くなって、あまり上手に扱えないと塗るだけの地味な技になってしまう。こういう仕様の技やキャラがとても多い。
あまりにも硬派すぎて、私はそれが好みだったのですが、気楽なプレイは難しかったと思います。
それは他の部分でも同様で、このゲームは敵の体力をゼロにしても、すぐ倒したことにはなりません。体力をゼロにしたら、泡の雪だるまのような状態になり、ゆっくりとした移動しかできなくなります。
この泡だるま状態で一定時間経つか、敵のチームにダッシュで“蹴られる”と初めてやられた扱いになります。
この泡だるま状態で味方に蹴ってもらうと、体力が3割ほどで復活します。敵に蹴られても、ものすごい勢いで吹っ飛びますが、一定距離移動するか壁に衝突するまではまたやられていないので、敵の陣地に敵の泡だるまを蹴ったら、逆に敵陣で復活された!なんてことも上位帯だと頻繁に起こります。
敵を一人倒すこと一つとっても、泡だるまを放置して敵に救出させて釣るのか?それとも早く蹴って倒すのを確定させるのか? 泡だるまに回り込んで、敵陣ではなく味方陣地の方へ蹴ることで、救出させないようにするか?選択肢が膨大に存在しています。
この複雑怪奇なゲーム性のどこに泡パーティーシューターというお手軽さがあるのか、私にはわかない。
開発の意図としては、初心者でもなかなかやられないようにしたシステムなのでしょうが、その実態は上手い人は体力がゼロになっても味方に助けてもらえるように立ち回ったり、蹴られて吹っ飛ぶ味方をゴールキーパーのように救出したりと、上手い人がさらに得をするシステムになっている。
それは私のような人間からするとやりごたえですが、気楽にプレイしたい人からすると、上手い人を運で倒すことすらできない不死身の怪物にしてしまう。
私の中では死ぬまで絶対に忘れることができない不朽の名作です。好きなゲーム10選どころか5選でも入ります。
しかし、現在は基本プレイ無料ですが、発売当時はPSのサブスクで期間限定無料配布か、四千円ほどのゲームにも関わらず、スキンのほとんどが有料で、しかも価格帯が高い。基本無料になった以上今更過ぎますが、さすがにプレイしたらゲーム内通貨が手に入り、任意の衣装を解放する仕組みがあった方がよかったと思います。
それと、これはフォームスターズに限った話ではないのですが、ゲームのランクマの仕様が辛かったですね。
私が以前世界ランクに入ったハースストーンのバトルグラウンドや、他の対戦ゲームのランクでもそうなのですが、順位を決めるポイントを無限に積んでいけるシステムであることが非常に多いです。
その結果、上位を目指そうとすると、時間を際限なく投資するしかない。
フォームスターズの場合、100以内は高勝率(7〜8割)を維持すれば達成できそうと思い、実際達成しましたが、次の区切りである50以内の称号は全ての時間を捧げないといけない。
仕事もあるし、他のゲームもあるし、小説だって書きたい。
どうしてほしいかとか、具体的な改善案はないのですが、ちょっとその仕様だと付き合い切れないなってゲームのランク戦が多いですね。
ビジュアル・オブ・ザ・イヤー『enotria』
https://store.playstation.com/ja-jp/concept/10008826
イタリアのよくわからないゲーム会社が作ったソウルライクのゲーム(ソウルライクの説明いる?いらないよね)
ソウルライクに限らず、ハンティングアクションだったり、元祖の作品が強過ぎて、それを答えにしてしまう現象があると思っています。
ハンティングアクションだと、モンハンがそういう仕様だからという理由で、マルチは大体4人だったり、素材を入手してレベルアップなどのキャラが強くなる要素はないことが多かったり。
そんな感じで、ソウルライクもデモンズソウル・ダークソウル、最近だとSEKIROがそうだったからこう!みたいなゲームも多い印象。
enotriaもその枠からは出ていないソウルライクで、ゲーム性としてはSEKIEOです。(最近のソウルライクは、回避重視のデモンズ・ダクソ型とパリィ・直前ガード主体のSEKIRO型の二つがあるみたいなイメージ)
そういった意味で革新性はないのですが、その分堅実な作りをしたゲームです。
パリィをした時のエフェクトや音は気持ちいいし、武器を振った時のモーションの手触りやテンポもいい感じで、3周プレイしても苦にならないゲーム性です。
では、このゲームの一番の利点はというと、美術面でしょうね。
ソウルライクにありがちな血塗れ・臓物塗れのダークファンタジーではなく、公式自らイタリアの夏をイメージしたと語る、美しい風景。この一点に尽きます。
良いPC、もしくはPS5などを持っているなら、体験版をプレイしてみてほしいです。チュートリアルステージは全然美しくないんですが、そこを抜けると一面のひまわり畑。からの、イタリアっぽい夕暮れの町に入る。
その町の雰囲気が良くて、カニバリズム的なお祭りの真っ最中で、不穏な雰囲気が漂っているのですが、明るい音楽が鳴り響き、みんな即興のダンスを踊っている。明るいのに狂気的な雰囲気がいい……
その上で、このゲームの世界観が、神に捧げる儀式として、劇を演じ続ける呪いにかかっている世界なので、町にある住民が突然語り始めたりする。
この劇を演じさせられている呪われた世界という演出は最初のステージだけで、劇という要素はどんどん薄まっていくのですが、最初のステージは美術・世界観・音楽含めて完璧です。
この手のインディーズゲームは、翻訳が壊滅しているのは当然のことと諦めがちなのは私だけではないと思うのですが、このゲームは翻訳に抜かりがない……いや、抜かりはありまくるんですが、抜かりはない!
良くも悪くもSEGAがパブリッシャーなので、日本語訳“されている”ところはちゃんとしているし、吹き替えが“なされている”ところは劇を意識した声色、間の取り方で満足できます。
その一方で、翻訳漏れがままあり、イタリア産のゲームなのでイタリア語が出てきて、せめて英語にして……ってなりますし、吹き替えも、一部のモブキャラは音声そのものがなかったりと、SEGAらしさもある。SEGAじゃなくて、開発元の問題なのかもしれませんが。
システム用語の翻訳も、敵のスタンゲージの名前が露見ダメージという名前で、正直わかりにくかったりする一方で、ゲージ式の必殺技の名前が科白で、劇を意識させるものになっている。(英語版だと科白ではなくて、poem?とかだった気がします。日本語の方が世界観に合ってる印象)
てな感じで、お気に入りのゲームではあるのですが、バグで一部取れないトロフィー・実績があったりと、作りの荒さは随所にあるので、オススメというより、オヌヌメって感じのゲーム。
イタリアの美術が好きな人にはオススメですかね。同じスタジオの次回作のゲームがあるなら、楽しみですね。
モンハンワイルズで出来たことがなぜできないのか・オブ・ザイヤー『ドラゴンズドグマ2』
モンハン20周年にモンハンが出ない代わりと期待していたドラゴンズドグマ2。
発売直後から悪評が立ちまくる中、微力ながら擁護し続けましたが……ワイルズのベータ版をプレイして、ドラゴンズドグマ2は手を抜いたんだなという印象に。
もともと、手を抜いた(手を抜かざるを得なかっただけなのかもしれませんが)と感じる部分は多々あったのですが、それでも、力が足りなかっただけなんだと信じようとした。
でも、そうではなかった。ドラゴンズドグマ2では、キャンプで肉を焼いたら突然の実写が挟まれるのに、モンハンワイルズだと、綺麗な3DCGで、チーズを切ったり、ハチミツを垂らす映像が挟まれる。何この格差?
素人ながら創作をしている人間からすると、ワイルズの料理パートに労力をかけるのが本当に正しいのか?
ゲーム制作は素人の創作と違って、“仕事”である以上、費用面や制作期間の限界があるでしょうから、ここに力を注ぐのが正しいのかは疑問がなくはないので、ドラゴンズドグマ2は正しい判断だと思いはしたんです。
でも、ワイルズでできるなら、そして、ワイルズとドラゴンズドグマ2は開発エンジンが同じなのだから、映像表現借りれば良いじゃん!っていう。そこは協力できたらしないのか?同じ会社なのだから、それはやってくれ!どっちも同じ価格で発売する以上、片方は手抜きで、もう片方はガチガチ!なんてことをされて納得するのはさすがに難しい。
ドラゴンズドグマ2擁護派(発売初期にトロコンする程度には好きだった)でしたが、もう限界かもしれない。
無料で神ゲーにしてとは全く思わないですし、光る部分もありはするので、DLCを早く発表してほしいです。
さすがにこのオープンワールドは時代遅れでは?・オブ・ザ・イヤー『rise of the ronin』
ドラゴンズドグマ2と同日発売のゲームで、何かと比較されがち?な印象のゲーム。
ローニンの方が世間の評価は高い印象ですが、個人的にはドグマ2は手抜き・力不足な点はあるものの、革新性を出そうとした形跡があるので、ドグマ2の方がまだ好印象です。
ローニンを開発しているスタジオは、仁王シリーズやニンジャガイデン、DOA、Wo long、を出していて、個人的にお気に入り……ニンジャガイデン3は未だに許してませんが、好きなゲーム開発です。
仁王シリーズ、ニンジャガイデン、Wo longは全てステージクリア型のアクションゲームです。
最近はオープンワールドにあらずばゲームにあらずの傾向があるような印象ですが(ゲームの記事でも、株主にオープンワールド出せ!と催促されるとか見た記憶があります。その株主、多分ゲームしたことがないので、ゲーム会社の株主やめてほしい)、オープンワールドゲームって正直面白くなくないですか?
広いフィールド与えられても、移動する時間が長かったり、ステージの地形の作り込みがステージクリア型と比較して雑で、ゲーム体験として悪い。
もちろん面白いオープンワールドゲームはありますが、それはそのゲームが面白いだけであって、オープンワールドが面白さに寄与しているわけではないといつのが、私の感情です。
ローニンはまさしくそれで、“オープンワールドにしただけ”のゲームです。
広いフィールドに散在しているファストトラベルポイント。散らばった宝箱にスキルポイント。中ボスにサブクエストにメインクエスト。
これ全部、ロード時間が移動時間に形を変えただけで、全く面白くなってない。ロード時間は待ってるだけで良いですが、オープンワールドだと操作して移動しないといけないので、なんなら劣化している。
一応、馬に乗って素早く移動できたら、地図にピンを刺したら馬が勝手に走ってくれる昨日はありますが、こんなのオープンワールドでなければそもそも必要なかったシステムだと思います。
オープンワールドにおけるファストトラベルや、最近配慮されるようになってきた移動の快適性。こんなの全部、オープンワールドという特大のマイナスをなんとか0に戻そうとしているだけ。
問題の本質はオープンワールドという仕組みの方にあるのに、なぜか世間は、ファストトラベルポイントがたくさんある!とか、どこにでもファストトラベルできるようになってるすごい!とか、自動で移動できる乗り物があるすごい!とか言ってて、さすがになくない?と思ってます。
オープンワールドというマイナスしかないゲーム性に囚われているゲーム開発者が、マイナスを誤魔化すために生み出した要素を賞賛する。さすがに目を覚ました方が良いと思います。
ローニンはオープンワールドであるせいで戦闘の密度が低下している。戦闘そのものはおそらく面白いと思うのですが、オープンワールド要素が足を引っ張り過ぎていて、戦闘システムを議論の土台に上がる気になれません。
明治が舞台だから、時代遅れのゲームを出してくるのは、考えたなって感じです。
それはそれとして、ローニンを開発したチームニンジャのゲームは、DLCが全て出揃うまで、やり込み要素が不足していて、あんまり楽しくない問題を抱えていた中、ローニンは最初からゲームとしての遊びが揃っていたのはよかったなと思います。
まあ、度々言っていることですが、オープンワールド要素があまりにも退屈かつ不愉快すぎて、ストーリー進行度8割で止まっているのですが。
国連はオープンワールドの開発を中止する勧告を、各国のゲーム会社に送った方がいいですよ。
ブチギレたゲーム・オブ・ザ・ライフ『モンスターハンターワールド:アイスボーン』
プレイ中、あまりにも不愉快すぎてブチギレまくった結果、イヤーを飛び越えてライフに格上げしました。それくらいこのゲームはヤバすぎ!
ということを書こうかと思ったのですが、Twitterで書き殴ったので、改めて書くほどのこともないので割愛。
アイスボーンの製作陣がワイルズと同じなので、ワイルズの出来に不安があったのですが、βテストが個人的には超楽しかったので、いまからわくわくです……
ベストトライアル・オブ・ザ・イヤー『strllar blade』
またの名を、『期待はずれ・オブ・ザ・イヤー』……発表当時から結構期待していて、体験版プレイして、これはすごいゲームになるかも!という期待が爆上がりしたゲーム!
体験版の範囲だと、作り込まれたマップを探索しつつ、進んでいくパリィ主体のSEKIRO型ソウルライクの亜種のような感じで、面白く。
マップにパスワード書かれたメモを見つけたら、それに対応する宝箱や扉に数字を入れる場面で、メモを開かなくてもパスワードが見れるようになっていたり。
行き届いている印象でかなりよかったんですよね。極めつけに、チャレンジボスがいて、そいつの完成度がかなり高くて、戦ってて楽しかった。体験版で2時間くらいそいつをボコリ続けて、たーのしいーってなってました。
とはいえ、不安要素の片鱗がないではなく、スキル取得画面を開くと、項目の数で武器がどれくらいあるのか?みたいな予想が立っちゃうと思うんですけど、どうやら武器が剣しかなさそうだなとか、育成要素は弱そうだな。みたいなところはありつつ、まあ、体験版超面白いし楽しみに発売日を待つ!ってなりました。
で、始めてみると、面白い方の普通!巷での評判が良いことは頷けますし、友達からの評価も良いのですが、私的には普通……良くも悪くも無難すぎる。
ゲームプレイとして、抜けたところがないんですよね。パリィは確かに楽しいんですよ。パリィした時の効果音は超気持ちいい。でも、ゲームとしてのリターンがあんまりない。パリィすると攻撃するよりもMPの溜まりが早いとかはあるんですけど、肝心のパリィした時に削れる敵の体幹ゲージ(削り切ったら長時間ダウンして、専用モーションで追撃できる例のやつ)を破壊した時のリターンが薄い。
度々比較に出すのもどうかと思いつつ、SEKIROでは、(正確な表現ではないのですが)体幹ゲージを削る方法がパリィだけでなく攻撃でも削れた。しかしstellar bladeでは、パリィでしか削れない。
SEKIROでは体幹を削り切ると何段階かに別れた体力ゲージを一本削り切るというシステムでしたが、stellar bladeではMP消費のスキル一回分くらいというしょぼいダメージかつ、形態変化が入る体力は減らない仕様なので、せっかく体幹を削って追撃入れたのに、全く減らないないんで事態が多発。
SEKIROでも体力がちょっとしかない時に体幹を削り切って、実質のダメージはちょっとだけ。というケースはそこそこ発生しましたが、あれは体力ゲージの数が形態変化だという全体が明示されてあるので納得感があった。
しかしstellar bladeでは、敵が形態変化する体力の基準値が全く書かれていないので、ちょっとしか減らせなかったことへの納得感が全くない。
そもそもの保証されているダメージの大きさが両者で大きく異なるというのも原因の一つですが、「敵の残り体力によって、追撃で減らせる体力ゲージが変化する」という現象は同じなのにゲーム体験が別物になってしまっている。
Stellar bladeでは、敵の体幹を削ってもあんまり意味がないので、パリィの楽しさ・気持ちよさが宙に浮いてしまっている。ゲーム的なメリットがほとんどない状態で、演出が完璧以上のせいで、余計に空虚感が目立っている印象です。
あと、探索もオープンワールドっぽいフィールドが二つあり、それもなんだかなというか……オープンワールドを採用したせいでシナリオやゲームシステムに影響出てる部分が少なからずあるような。私がオープンワールド嫌いすぎるだけかもですが。
と、面白い寄りの普通とは思えない酷評っぷりをしてしまいましたが、抜けたところがないわけではない。むしろ、ゲーム性以外の部分は私が過去プレイしたゲームと比較しても飛び抜けている部分は多々あります。
よく言われていることですが、衣装の数は凄まじいですし、無料アップデートでばんばん足していくのはすごいなと思います。有料DLCでいけそうな出来なので。
あと音楽もかなりいい。ニーアオートマタに影響されてると公言し、コラボまでしたので、まあニーアオートマタっぽくはありますが、かなりいい。
あと、個人的に一番嬉しかったのが、軌道エレベーターをちゃんと映像として、あと攻略ダンジョンとして形になっていることでしょうか。
宇宙へ続くエレベーターって私の憧れなんですが、映像化や作品として作られた記憶がないんですよね。探せばあるんでしょうけど、私は知らない。
そんな中でstellar bladeは、攻略するダンジョンとして軌道エレベーターが登場して、さすがに感動しました。エレベーターから見下ろす地球は画として綺麗でしたし、そこだけでも価値あるなと。
てな感じで、次回作出たら買いますが、次回出すならゲーム部分をいい感じにしてほしいですね。武器増やそ!武器!
どうしてこんなに弱い主人公を操作しないといけないんだ・オブ・ザ・イヤー『AI LMIT 体験版』
今作は、雨後の筍よりも多いソウルライクの新作の、期間限定で配信された体験版です。
私がいまから書くことは、製品版では修正する予定と公式が発表していることですし、個人的には「こんなに弱い主人公」を貫くなら、むしろそっちを応援したい派です。それはそれとして、この主人公、戦う美少女なのに弱すぎる!
もうとにかく弱いんですよ。伝わるかどうかわかりませんが、インディーズ、もしくはインディーズ寄りのアクションゲームって、動きが硬いことがままあります。動きが硬くても、見た目だけで不恰好なら問題ないのですが、硬いことが動作の遅さ……つまり、発生の遅さや硬直の長さに関係してくると話が変わってくる。
このゲーム、硬いんですね。タイトルで予想がつく通り、主人公がアンドロイドなので、関節カチカチなんですかね? いや、そういう次元じゃねーから!
通常攻撃のモーションは、デモンズソウルからよく見たソウル系そのもの。剣なら横長だし、大剣ならドン!っていう、デモンズからエルデンリングまだ続く、伝統の味。いつものやつ。ですが今作は、同じモーションのはずなのに、なんか硬い。
発生が気持ち遅いし、硬直も気持ち長い。でも、敵は過敏に動くので、スパアマ持ち相手だと、全てが間に合わないっ!
回避も遅くて、スタミナという概念がないので仕方のないことなのですが、回避の発生・硬直ともに長い上に、移動距離も短いし、無敵も短い。ないない尽くしで何も避けられない!
弱い!このアンドロイド、弱すぎる!こんなんじゃ世界救えないよー!
でも大丈夫。このアンドロイド、強いところもあります。いや、正確には相対的に強いだけなので、使わざるを得ないだけなのですが。
このアンドロイドの強みは、防御です。防御が強い。
このゲーム、敵に攻撃を当てるとテンションゲージみたいなのが上昇して、技が強くなるんですね。逆に、敵の攻撃を受けるとテンションが下がって攻撃が弱くなる。
そして、このゲームではテンションゲージを使って防御的な行動が取れるんです。えっ、防御するのにリソース使うの!?
防御したらテンション下がる。パリィするだけでもテンションを消費し、失敗したら敵の攻撃が当たるので、被弾でさらにテンションが下がる。
防御にリソースをガンガン消費するのでやってられない!それで性能が良いのなら救いがあるのですが、正直そんなに良くない。
防御はリソース消費する上に削りダメージから食う上に、リソースとは別に盾に強度が設定されていて、どこかで盾を修理するモーションを挟まないと性能が劣化していく。パリィも受付はそこまで長くない。
唯一強いのが通常の回避とは別に存在している、防御スキルとしての回避。これはかなり強くて、テンションを消費する代わりに、超長い距離をとんでもない無敵時間で移動しつつ、テンションの段階が高ければ発動位置に電撃を落とすおまけつき!
このアンドロイドに強みがあるとすればこの回避くらいで、あとはまあ弱い。顔は美少女で強いのに身体が弱い。
体験版クリア後のおまけコンテンツの、中盤のボスを撃破するのに、マジで三時間くらいかかりましたからね。敵が超強いのに、主人公が超弱い!敵の攻撃全部パリィできるようにならないとお話にならない!こんなの本編で全てのボスに繰り返してたら心折れちゃう!
でも、これはこれで面白いなっていうのもあります。というのも、正直、このゲームで難易度を緩くしてしまうと、そんなに出来が良くないジェネリックソウルライクになってしまう。それこそ、先に挙げた「enotria」の方がグラフィック、モーションどちらも完成度が高い。
そうなった時に「AI LIMIT」の強みがあるとすれば、“やりごたえ”だと感じました。美少女主人公で、理不尽に片足突っ込んだる高難易度ゲームというのは、個人的にはやりたい。
でも、難易度を下げてしまうと、ソウルライクというレッドオーシャンで強みを見つけてあげられない。
とはいえ、難易度が高すぎて大剣なのにボスの弱体化パッチが入るほどだったので、主人公と敵に力の隔たりが大きすぎたのは事実ではあると思いつつ……大勢に受けるために、顧客の要望に応え続けるのは、芸術の在り方ではないのではないかという。
「AI LIMIT」は、最初のバランスでよかったのでは?と思ってます。まあ、製品版をやってみないことには結論は出ませんかね。
ゲームを作る気がそもそもなかったよね?・オブ・ザ・イヤー『ドラゴンクエスト3 リメイク』
いまのスクエニに期待してる人って、多分いないと思うんですよ。もしも期待している人がいるとしたら、スクエニのゲームやってないのではないかと思う。
スクエニの救えなさを感じるエピソードとしては、実際にプレイした数々のゲームの不出来もありますが、それ以上に、スクエニの下請けで開発したスタジオが苦言を呈している辺りから感じられる気がします。
そのスタジオの方曰く「スクエニのロゴを外して販売した方が良いのではないか?」という提案が、開発内部であったそうなんですよ。
その提案の是非はともかくとして、下請け会社がこれをわざわざ公的なインタビューに載せる(逆に言えば、それだけのリスクを冒してでも、スクエニを救おうとする方が残っているということなのかもしれませんが)時点で、もう終わってる会社です。
確かに「FOAMSTARS」はスクエニのゲームで、絶賛してますが、開発は別会社です。スクエニの功績と言えるかは怪しい。
わざわざ個別に項目を書くほどのゲームでは良くも悪くもないですが、今年発売の「聖剣伝説5」(これも外注作品)もプレイしましたが、まあ、凡庸です。
ただ、現在のスクエニの傾向として、自社スタジオのゲームはダメダメで、外注はたまに良い作品もある。という印象で、「ドラクエ3リメイク」は自社リメイク……そりゃ、ダメですよねっていう。
私、スクエニのゲームは好きだったんですよ。ドラクエ8は大好きだったし、キングダムハーツ2FMは人生でもトップ10に入るゲームですし、去年リマスター版をプレイして、トロコンまでやった。ドラクエ11はプレイ中ずっと楽しかった。
でも、もうついていけない……スクエニのゲーム、とにかく敵が、特にボスが不当に“硬い”。
FF7リメイクのボスもカチカチ。FF16は体験版で嫌な予感がしたので買っていませんが、体験版範囲のバスも硬いこと硬いこと。聖剣伝説5も硬い。FOAMSTARSのボスも、形態変化が3か4段階あって、死ぬほど硬い。キングダムハーツ3のボスも、初見プレイで硬すぎてうんざりしました。
当然、ドラクエ3リメイクも硬い。追加職が死ぬほど強い攻撃技を持っていて(他キャラのおよそ4倍のダメージ効率)、それを使わないととても削りきれない。
なぜスクエニのゲームは揃いも揃って、ボスが硬すぎるのか。
ボスの硬さは個人的にはプレイ時間の水増しをしていると予想していますが、まあ、ゲームバランスの調整の問題なので見過ごすとしても、ドラクエ3リメイクをプレイして拡散しましたが、いまのスクエニは“ゲームを作ること”がもうできていない。
ちょっと横道に逸れますが、ゲームってそもそも虚構だと思うんですよ。
ゲームに用意されている困難さって、どれだけ難しいゲームでも、テストプレイをしている以上、必ずクリアできるようになっている。
人生で直面する課題とは違って、ゲームが提示する課題は克服できるようになっている。つまり、ゲームの困難さは虚構。
そう考えると空虚な営みですが、それでも楽しいのは、ゲーム側が“本物の困難”であるかのように振る舞ってくれるからだと思っています。面白いゲームは、本物のフリがうまい。
それはストーリーの演出で強敵感を出すのかもしれないし、敵が実際に強いとか、目標のスコアが高いとか。手段は色々でしょうが、“本当は達成できるように設定してるんだけど、本当は達成できないような演技をしている”。それが私にとってのゲーム観です。
その視点でドラクエ3リメイクを見てみると、まあ、酷い。
ドラクエ3リメイクには難易度設定があるのですが、その作りが雑。もうゲームを作れていない。先の私の定義で言うと“困難が本物であるフリ”を完全に放棄している。演技が下手とかではない。もう演技をしていない。そもそも、演技をしなければならないという発想が、おそらくそもそもない。
このゲームの最低難易度は、主人公パーティー全員、HPが絶対に0にならない。即死技も効かない。そういう設定です。
“使わなければ良い”という意見がありますが、この最低難易度の作り方の場合、さすがにその擁護は成り立たないと思います。
絶対に負けないモードって、プレイヤーをバカにしていませんか?絶対に勝てるゲームは、絶対に勝てないゲームと同義だと思います。ベクトルが真逆だから見えにくいだけで、どちらも同じだけの理不尽です。
こんな難易度が存在していること自体がプレイのノイズでしかない。「このゲーム難しいけど、この困難さは嘘だもんなー」って絶対に意識してしまう。これは本物の困難だ!クリアした自分すごい!ってなりたいのに、“いや、偽物なんで”ってマジレスしてくる。
いや、そこは本物のフリしてよ!っていう。自分たちの役割を理解していない。アイドルにだって私生活があることは理解しますが、ステージの上ではキラキラしてないといけない。芸人だって辛く悲しい時はあるでしょうが、舞台の上では笑わせないといけない。作家だって面白い作品を出さないといけない。そう役割に自分から進んでいっているんだから、そこは貫徹するのがプロとしての誇りで、それをどんな分野であっても、持っていてほしいと願ってしまう。
でも、いまのスクエニにプロ意識を説くのは無意味です。だって、プロ意識を抱く以前の問題だから。
ゲーム作りにおけるプロがなんなのか。そんなことをおそらく考えたことがない。適当にゲーム作って、だからゲームもどきが出てくる。ゲームの本質がなんなのかとか、全然ない。
だからムービーゲーばっかり。キングダムハーツ3がどうとか、スクエニのムービーが多すぎるなんて言われたくしてると思うのです列挙はしませんが。
ドラクエ3ってそもそもストーリーが薄いゲームだと思います。だからって悪いゲームでは当然ない。10ほど前にファミコン版をプレイしましたが、楽しかったです。
なのに、このリメイク、ムービーが長い。もちろん、他のスクエニゲーと比較すると短い。元がファミコンだから。
でも、元がファミコンのゲームと考えると、よくもこんなに長いムービーを作ったなってなります。
別に画面が動くこともなければ、派手な演出があるわけでもない。よくあるセリフに、動かない画面で、声優がゆっくりと、長々喋る。
スクエニはゲーム作れません。もうゲーム作りのノウハウがない。そうわかってて今度こそ買わないぞ!って心に決めるのに、結局こうして買ってしまった。
真の愚か者はスクエニではなく購入者である私ですね。
先見の明・オブ・ザ・イヤー『CONCORD』
発売直後に爆死して、一ヶ月後には人いなさすぎてゲームできなくなると読み、発売一週間後くらいに購入して、そのまた一週間後にサービス終了が宣言されたゲーム。
なんやかんや、一部のゲーム界隈では伝説に残ったような気がする作品で、私もなんだかんだ記憶に残っている。ゆうて、プレイ時間5時間くらいですけど、せっかくなので、ゲームの内容のお話を。
このゲームの特徴、というか売りがどこなのか、私にはよくわからないというか、それがなかったから売れなかった、みたいな身も蓋もない部分があるような気がします。
それでも、私的に心惹かれた要素は、ゲームを売り切って、シーズンパスといったゲーム内課金の仕様を一切入れない、という宣言が発売前からあったことでしょうか。
ゲームをプレイすると貯まるポイントで、キャラや武器のスキンを獲得する。確かに、報酬がないとゲームをプレイし続けるモチベーションを保てないので、人口が大切なゲームでそういう要素が必要なのは理解しつつ、やっぱり義務感でゲームをプレイするのは、同じゲームを続けていると段々しんどくなってくる。
その中で、継続的なプレイを、期間限定の要素で奨励しないというのは、魅力的な要素でした。
だからといってプレイを続ける意味がないかというとそうではなさそうで、ゲームを続けると経験値を獲得して、キャラのスキンや、パッシブスキルの入れ替えなどが可能になるなどの育成要素があるようで、それもなかなか良さそう。
そして、購入前に最も独自性を感じたのは、キャラが死亡した時に、使用していたキャラに応じて、移動速度アップや弾のブレ現象などの効果が蓄積されていくという要素でした。
死んだら次復活した時にキャラが強くなるという、上手く機能すれば初心者救済になりつつ、同じキャラで複数回死んでも同じ効果は蓄積しないので、他のキャラの使用を自然に促すことができるシステムに見え、それがどれくらいの完成度なのか気になって購入しました。
では、上記の3点がどれくらいの完成度だったかというと……正直、あまり良い出来ではない。発想自体は良かったと思うのですが、完成度が足りていない感じです。
具体的に一点ずつ書いていくと、期間限定要素がなかったのは事実ですが、サーバー代の捻出などの問題が生じてくるのは素人目にも明らかなわけで、一ヶ月足らずでサ終したゲームに対して書くことではないのでしょうが、後々シーズンパスといった要素を実装せずに運営していけたようには思えない。
そうした想像を抜きにしても、一瞬でサービス終了した時点で、シーズン要素どころか、ゲーム自体が期間限定で遊べるレアゲー!となったので、結果論ですが、期間限定要素は山盛りだったと評価するのが私なりの評価です。
次に育成要素などのやり込み要素ですが、これも弱いです。
キャラの容姿に魅力がないといった意見が取り沙汰されがちで、その気持ちもわからなくはないものの、一部かなり好みなキャラデザが存在してはいました。
じゃあ、そのキャラのスキンが魅力的だったかというと、2Pカラーという感じで微妙。
では、スキルの入れ替えといった要素はというと、それもあんまり。
今作も『FOAMSTARS』と同じヒーローシューターで、キャラ毎に武器・スキルが違うゲームです。
キャラを使うとそのキャラに経験値が蓄積されて、スキルが解放されるのですが、変更できるのはパッシブスキルだけ。その効果もあまり変化を実感できない。
銃の性能や、アクティブスキル(グレネードを投げるなど)までカスタマイズできれば良かったのですが、それはない。
後々追加する計画があったのかもしれませんが、事実としては存在しなかったので、カスタマイズ要素はほぼ存在しなかった。
最後の希望である独自システムである、キャラがやられた時に特殊な効果が付与されるシステムですが、これに関しては完全に空気です。
効果が乗っても、変化がわからないんです!移動速度が上昇するという、最も効果が実感できそうなものですら、何が変化したのかわからない。
自分で使ってもわからないし、敵に使われてもわからない。正直、バグで機能していなかったのではないかと疑いたくなるレベルで変化が感じられなかったです。
私が好きだった老女キャラがいて、そのキャラが確か、一瞬で近距離を移動するブースト回避をする度に、銃がリロードされるパッシブスキルを持っていたんです。
なので、そのキャラを使う前に、死亡したらブースト回避のクールタイムが早くなる効果を付与するキャラを使う。という立ち回りが考えられると思うんですが、いかんせん効果を実感できないので、戦略性に寄与していない。
あまりに効果が大き過ぎたらゲームが壊れたり、やられやすい初心者救済要素ではなく上級者がうまく利用して初心者を甚振るシステムになるだろうことは予想できますが、いくらなんでもこれは変化がなさすぎました。
もう少し効果量を上げないと意味がないと思います。
問題なのは、このシステム以外に独自要素と呼べるものがないので、この死亡時効果のみで他のゲームとゲーム性勝負をしなければならないのですが、さすがに厳しい出来と言わざるを得ません。
散々言ったわけですが、一番な疑問はこのゲームの開発費が500億円程度と予想されていることです。
実際にプレイした身から言わせてもらうと、このゲームのどこにそれだけの大金がかかるのかわかりません。
宣伝が盛んに行われていたわけでもなければ、キャラが多いわけでもなく、やり込み要素が豊富なわけでもない。
一応、ゲームの世界観を説明する辞書があり、それはかなり手の込んだ仕様になっていましたし、ローカライズも確認した範囲では完璧でしたが、ローカライズ一点のみで500億円かかったとするのは、ゲーム業界の内情は全く存じませんが、ちょっと無理がある気がします。
明らかに抜かれてませんかね?開発費。そうじゃないと納得できない金額です。
とはいえ、個人的には魅力的なキャラがいたのは事実ですし、ブラッシュアップすれば楽しいゲームになった可能性もかなりあったと思うので、惜しいなと思います。
せっかく作ったんですから、無料配信したらいいと思うんですけど、難しいんですかね。話題性はあると思うんですけど……多分、ゲームオタクが騒いだだけで、実際はあんまり話題にもなってなかったのかもですね。
プレステの今年あったゲーム投票の中に、確か今作はなかったので、SONYの自社開発ソフトなのに、公式に完全に亡き者にされている……『FOAMSTARS 』ですら投票できたのに……
ヴァンサバ・オブ・ザ・イヤー『Glyphica:typing survival』
https://store.steampowered.com/app/2400160/Glyphica_Typing_Survival/?l=japanese
個人的におすすめのゲームなので、体験版だけでも。というより、製品版と体験版でゲーム性が変化しているので、別ゲーとしてプレイした方が良いかもしれません。
それはともかく、どういったゲームがというと、タイピングゲームになったヴァンサバです。本当にそれだけなので、特筆することはある種ないのですが、ヴァンサバライクのゲームにあった弱点を、かなり高いレベルで克服している点が白眉だと思います。
私はゲーム購入中毒者なので、よく安いゲームを買っているのですが、ヴァンサバライクはワンコイン、高くても千円以内で買えるので、よくお世話になるのですが、共通の問題点として『周囲から敵が一斉に押し寄せてくるゲームの性質上、プレイヤーの技術が関係なくなってくる』というものがあるように思っています。
勿論、技術で解決する問題もありますし、上手い人は技術でクリアするんですが、やはり永続強化のシステムやビルドをうまく組めるか、という要素の方が圧倒的に強い。それが面白さでもあるのですが、アクションゲームである以上、技術で勝ちたいし、技術で勝つ導線が目に見える方がゲーム体験として楽しいなって思っちゃいます。
その意味で、このゲームが素晴らしいのは、ビルドや永続強化で解決する問題もあるのは間違いないですが、技術で解決できる要素が目に見えて多いです。
このゲームはタイピングで敵に攻撃するのですが、入力が早くなればなるほど攻撃速度が上がるので、技術で四方八方から押し寄せる敵を押し返せるようになるんですね。
更に、このゲームはヴァンサバライクなので武器が増えていくんですが、自動で攻撃してくれる武器は執筆時点では一種類のみで、他はタイピングしたら発動する。
つまり、タイピングがうまくならないと、攻撃すらままならない。逆に言うと、タイピングがうまくなるだけで、基本的に全ての問題が解決する!
楽しい!ゲームしてるっ!て気持ちになれます!
じゃあ、逆にプレイ以外の解決方法がないかというとそういうわけでもなく、ちゃんと武器同士のシナジーを考えてあげると、目に見えてプレイが改善します。なので、そっち方面でのフォローもある。
ヴァンサバライクが抱えている、“負ける時は物量に押し潰されるので、プレイ技術が関係なくなりがち”という要素をかなり高いレベルで解決しつつ、ヴァンサバライクが持つキャラを強くしていく要素もある。
値段がお手頃という要素も含めてではありますが、かなり手放しでオススメできる作品だと思います。
美少女ゲー・オブ・ザ・イヤー『realm of ink』
https://store.steampowered.com/app/2597080/Realm_of_Ink/
いわゆる見下ろし型のローグライクアクション。私は未プレイですが『Hades』という作品の影響……すなわち、Hadesライクという表現も可能かもしれません。
この作品を挙げるなら、さすがに『Hades2』を挙げるのが筋(実際、私はアーリーアクセス開始と同時に2から購入)だと思いつつ、個人的にはこっちの方が主人公が可愛いなと、プレイが楽しかったのでこちらを選出。
Steamの楽しいところって、こういう訳のわからない作品を買い漁って、当たりを探す、鉱脈掘りなところがあると思っていて、個人的には銀鉱脈当てたような感じですかね。
キャラデザが古き良き中国感があって、魅力的であること。
タイトルの通り、墨で描かれた世界での冒険なので、全体的に渋い雰囲気の中、美少女がぶっ壊れビルドで敵を破壊していくという作品です。
ローグライクアクションって、回復が少なかったり、壊れビルドの種類が少なかったり、壊れ方がそこそこ止まりだったりで、プレイしていて窮屈な思いをすることがままあります。
しかし、この作品にはそれが(あくまでアーリーアクセス最高難易度までクリアした感想)ありません。
回復は限定的ですが、ステージの中ボスを倒すと5割。ステージ最後のボスを倒すと7割の回復が約束されていて、拾えるパッシブスキルによっては、回復量をさらに増やせるので、被弾のリスクは高いものの、リカバリー自体は可能というバランス。
つまり、敵の行動パターンを全く考えない猪プレイでは体力が持たないというバランス。ちょっとしたミスは気にしなくていいという寛大さ。悪く言えば難易度の低さが個人的には好みでした。
あと、このゲームは辛い場面があっても、必ずどこかでゲームを破壊できる気がします。
私が経験した他のローグライクアクションだと、体力回復がほとんどできず、敵は強くなっていくのに、自分の強さは敵に食らいつくのがやっとという感じ。
しかしこのゲームは、クリアするごとに上限が解放されていく高難易度モード(いわゆるアセンション)だと、最初は敵の方が強いですが、主人公の方が強くなっていき、敵をラスボスまで踏み潰せるようになる。
つまり、最初はキツくて、最後は破壊できる。確かに難易度は低いんですけど、最初の辛さをなんとか乗り越えれば、あとは流れで勝ててしまえる。
個人的には、ローグライクアクションという時点で一定シビアなゲーム性なので、厳しい局面がずっと続くよりは、こうしてどこかで一気になる作品の方が好みです。
よく言えば爽快感があり、悪く言えば簡単なゲームですが、主人公や他キャラのビジュアル、アーリーアクセスでまだ完成していないこと、そして価格が二千円を買っていることを考慮すると、個人的にはオススメできるゲームです。
本編に(おそらく)データを引き継げる体験版もあるのでプレイしてみてはいかがでしょうか。
発売日が待ちきれんぞ・オブ・ザ・ネクストイヤー『Slay the spire2』『モンスターハンター:ワイルズ』『DOOM:The dark ages』
最後に、来年発売が予定されている中で、個人的に楽しみなゲームを紹介!
一作目は、オタクが好きそうなゲームランキング一位の『Slay the spire』の続編!
私もなんだかんだでいまでもちょこちょこ遊んでいて、なんならスレスパライクの作品をガンガン買っちゃうくらいなんですが、やっぱり本家が最強!っていう。
なので続編は嬉しいです。公式が続編は作らないって言ってた中での発売決定ですし。
ただ、同じ開発者の方が、一週間で、かつ無料で公開してくれた新作があったのですが、それが正直あんまりだったので、不安ではありますが……
よほどのことがない限り、アーリーアクセス開始日からプレイしますよ〜!
この作品はおそらく全人類が待望していて、どうせ全人類がプレイするので、話す必要ないっしょ! 全世界で1億本売れます。
そして最後に、『DOOM:the dark ages』!
FPSの元祖と言っても過言ではない(実際には、DOOMの事実上の前作であるウルフェンシュタイが元祖)作品のリブートの過去編!
個人的に、リブートの一作目である『DOOM2016』は、私の好きなゲームランキング10位以内に入ってる作品なので、かなり楽しみ。
その分、リブートの二作目である『DOOM eternal』がかなり終わっていたので、不安でもある。
これから『DOOM eternal』の悪口が始まるんですけど、このゲームはズレていて、どれくらいズレているかっていうと、『DOOM 2016』のスタッフクレジットでは、主人公が手にした武器を使って悪魔を倒す一枚絵が表示されるイカしたムービーを背景にスタッフが紹介されてたんです。
それが『DOOM eternal』では、社内の開発風景を撮影した謎のリア充アピール映像が流れる。
ズレてません?DOOMなんて、頭の悪い人間がプレイしてる頭わるわるゲームなのに、実写パートって!
このズレ具合がゲーム中ずっと続く。プレイしていて、なんかこのゲーム面白くないなって思いながらプレイしていて、スタッフクレジットが流れて、「そりゃ、スタッフクレジットをこれにする開発では面白くねーわ!」って謎の納得をした事が未だに記憶に残っている。
『DOOM 2016』って、悪魔を虐殺するだけのゲームで、ストーリーは存在していない、って紹介されがちなんですけど、個人的にはゲーム史上最も完成度の高いシナリオだと思っています。
もちろん、一般的に連想される重厚な人間ドラマや伏線回収があるわけではないんですよ。でも、私が思うアクションゲームのシナリオって、敵を倒す理由があって、それがゲームのテンポを阻害しないように自然に提示される事だと思っています。
ゲームしたいんだから、ムービー見せるなっ!ってこと!『DOOM 2016』はそこが良かった。
主人公は喋らないんですけど、悪魔に虐殺された死体を見て、無言で拳を握りしめて、ちゃんと怒ってくれるから、気持ちがリンクできる。
マップには人間のバラバラ死体が散乱しているから、悪魔倒さなきゃっ!てなれる。
味方には怪しげな博士と、可愛い人工知能がいて、二人のサポートを受けながら、悪魔に脳をやられたおばさんを殴りにいく。
シンプルだけど、シンプルだからこそ、乗りやすいシナリオ!アクションゲームとして完璧なシナリオ!
図鑑要素もあって、それを読めば設定や次回作に続く伏線もちゃんと貼られていて、抜かりがない。
なのにeternal君ときたら、もう!一作目のエンディングで、主人公は味方の怪しい博士に強すぎるからどっか行け!って言われて封印されて、バックアップは取ってあるものの人工知能は破壊されてしまった。
こんな終り方をしたら、人工知能を発覚させるステージをプレイしたいし、博士は好きなキャラではあって、ダークヒーローくらいの立ち位置なんですけど、仲直り、ないし一発殴るエピソードがほしかった。
なのに、eternalではオープニングでいきなり、人工知能はなんか復活してて、博士は仮死状態。
そして敵はよくわかんない幹部が四人くらいいて……全然ルールわかんないから!
三部作の二作目が飛んだらこうなる!みたいなゲームになってたんですよ!
ということで、三作目となる過去編がどうなるかわかりませんが、期待半分、不安半分くらい。でも、一作目の衝撃を忘れることができないので、期待するしかない。DV彼氏だ。
まとめ
個人的には、たっくさんゲームを買ったものの、超お気に入りのゲームと出会えたような気がしない一年でした。
とはいえ、私の場合、そうした魂の作品は何に一度出会えたら幸運というレベルで、『FOAMSTARS』と出会えたので、充分という説もあります。
願わくば、来年のモンハンワイルズが魂の作品となることを祈りつつ……でも、ワールド以降のモンハンは、拡張版が出るまでボリュームないこと多いし、でも公式がやたらエンドコンテンツって単語を出してくれてるし、きっと……とにかく、楽しみです!